米へのこだわり

酒造好適米 一本〆へのこだわり

一本〆当社は全国では珍しい「一本〆」という米を使用して酒造りをしています。このお米は「五百万石」を母に、「豊盃」を父とし、人工交配して育成された固定種です。
平成5年から新潟県で開発され平成17年に県から源原種を移譲されました。今は「高千代酒造㈱」で管理している酒造好適米です。
玄米の形は中、玄米の大小及び粒重は「五百万石」並の大である。心白の発現は良好で剛度は低く、搗精しやすい。精白米の吸収性、消化性、精米係数は「五百万石」並に優れる。などです。

簡単に言うと五百万石に代表される「端麗辛口」な味わいとは少し違い、米の旨みが出るお酒に仕上がります。つまり、米の風合いが残るお酒になりますので「純米酒」造りに適したお米ということになります。しかし、扱い的には洗米する段階で「限定給水」をしないと米が粘ってしまい機械化した蔵では扱いにくいといった米になります。当社はその「一本〆」を十数年扱い続けて大きな実績(21年、22年と全国新酒鑑評会で金賞をいただいています)をあげています。

また、当社の「一本〆」は自社で原原種を管理し、蔵人が自社栽培する分と、契約農家さんにお願いする分以外は当社では使用していません。これも [安全] [安心] にこだわった当社のこだわりなのです。

精米へのこだわり 自社精米機がある

当社は平成21年度に精米機を導入いたしました。通常、酒蔵は精米を他所の精米所に依頼している委託精米が主流な状況です。それは当然コストの面で有利(自社精米はコストと技術がかかる)だという理由です。
他所の精米所に米(玄米)を預けることで精米を依頼するのですが、新米の取れる時期、また、酒造りの開始時期も各蔵、ほぼ同時期なのでどうしても混みあってしまいます。
そのため、以前は精米が雑になりがちで(ここで言う「雑」とは米が割れてしまっていたり、米が汚れていたりしているといった事例が多いといった事です)丹念に作り上げた米が非常に残念な結果になってしまう といった事が多いのが実情でした。
また、昨今の「食の安全」「産地偽装問題」など不安な要素も多く、酒の顔は見えても米の顔が見えにくい状況でした。
そこで顔が見え、「丁寧で、安全な米造り」の実現を目指し、精米を自社でやりたいといった思いで精米機導入にふみきりました。

精米機には米を精米する際に設定をいろいろ調整出来るのですが、割れたり欠けたりさせない為に、当社では
①精米時間の設定を一番遅く(丁寧に削るよう設定するには少しづつ削るのがよいとされている)して時間をかけ精米する
②精米量を調整し適量(機械の最大要領に対して余裕をみて)な量で精米する  の2点です。
この事により米が丁寧に削られるのはもちろん精米機からの取り出しも自分達で行なうので、ゴミや屑を前もって取り除ける利点が生まれより安全・安心に実感がもてるようになりました。

自家栽培米 契約栽培米へのこだわり

自家栽培 これは蔵人たちが米造りの面白さや米造りの大変さを身を持って知ることで「酒に対する姿勢」が大きく変わるとの発想で行なっております。また、平成 年に新潟県からこの「一本〆」の原原種を委譲され、今はここ「高千代」のみで種から全ての管理を任されております。
蔵人たちのプライドが一粒一粒に愛情を込めていくことで酒の価値がいっそう高まり、酒造りに想いを込められるようになります。
酒造りは非常にデリケートであり、忍耐力の必要な場面が多くあります。そんな時にこそ、自分達が育て収穫した米への想いや大地の恵に対しての感謝の念があると不思議と穏やかに、そして酒と優しく会話しているかのような気持ちになれるのです。
この想いがやがて時を超え、「酒」となっていくのですから 出来上がった酒をいただくと、きつかった農作業の苦労も消し飛んでしまいます。
この酒に対する高千代酒造の「真面目すぎるくらいのこだわり」が当社の酒に旨みを醸し出しているのです。

 

高千代
約150年の歴史を経て今日の高千代の造りは、より品質の高いものを作り出すことを目指し、昔ながらの手作業による吟醸的な造りを行っています。酒造りは、酵母も麹菌も水分量というものに、大きく左右されるという理由から、水分管理が大変重要です。また、「一本〆(当社こだわりの酒造好適米)」の適正からも吟醸造りに向いた米の特性を活かし手作業による水分管理を最優先させた 仕込み に切り替えました。大量生産の造りとは真逆ですが「美味い酒」を造りたい一心でこの厳しい造りにふみきりました。

仕込み蔵2階の神棚には酒の神様『松尾様』が祀られています。

白米は洗米ポンプによって、仕込み蔵1階から2階へと移動します。 2階では、洗米と同時に運搬された白米を15Kgずつ洗米ザルに取ります。 水呉を良くする為に特別な網目加工をしています。(写真1)そして1ザルごとに丁寧にすすぎます。ストップウオッチを使い秒刻みで浸漬タライに漬け、目標の吸水率まで水を吸わせます。(写真2) 吸水率は麹米で約130%、掛米で約139%です。 井戸水の水温は、ほぼ12℃で一定ですが、白米温度や、その日の気温などにより、吸水時間が 微妙に変わってくるので、大変慎重な作業となります。この井戸水ですが、日本百名山の一つ「巻機山」の伏流水で、山の標高は約2000m。夏でも雪が残り、その雪解け水は幾層にも重ねられた地層をくぐりぬけ、ふもとの里に下りてきます。カリウム・カルシウム・マグネシウム等の成分含有量が通常の水の値よりも低い軟水で、なめらかなこの水は珠玉の仕込水です。巻機山の自然の恵みがこのような酒造りに適した水を与えてくれたことは偶然とはいえ不思議な縁を感じます。米ザルを一つ一つ計りで測定し、吸水率を一定に決めます。(写真3)全て15kg入りのザルを持って移動する、大変重労働な作業です。

目標数値まで水を吸わせた白米を,蒸気で蒸す事によって、米の生デンプンをα化し、麹菌の生産する糖化酵素の作用を受け良くします。「仕込み」の時期は朝から蒸米の蒸気があがり、忙しい一日が始まります。 (写真4) 1時間近く蒸し、蒸米となります。蒸しあがったばかりの蒸米は,一粒一粒光っています。(写真5)スコップを使って掘り出し、蒸米ザルに受け、20kg~30kgずつ甑(こしき)と呼ばれる蒸し釜から出します。(写真6)毎朝、9:00頃には、蔵の周りでは甑からの蒸気と芳ばしい香りでいっぱいになります。 蒸米ザルを一つ一つ蔵人達が担いで駆け足で運搬します。汗の出る非常につらい仕事です。 (写真7)

蒸米は仕込みにそのまま使う掛米と、麹に使用する麹米とに分けられます。掛米は「酒母」、「添仕込み」、「仲仕込み」、「留仕込み」に分かれます。それぞれの仕込み温度に合わせて適した温度まで冷却されます。室全体が蒸米の湯気で前が見えなくなるほどになります。90℃以上のアッチッチな蒸米を手早く一掴みずつ蒸米を返して、予定の温度、吸水まで水分を飛ばします。酒母仕込みで35℃~40℃留仕込みで15℃~17℃まで放冷します。

蒸米に麹菌を増殖させ麹を作ります。麹には糖化酵素の供給、酵母の増殖を促進させる、清酒の香味に関係する成分の供給などの役割があります。30℃以上の麹室の中で、「切り返し」を行います。
蒸米を麹室へ引込み、適量の種麹を慎重に振り落とします。毛布をかけ寝かせておくと、種麹の菌糸が蒸米内部へと入り込んで粒同士が互いに結びつき、硬い塊となります。その後、「切り返し」を行い、温度、水分の均一にし、再び寝かせます。翌日の早朝、堆積してある蒸米をほぐし、10kg盛りの箱に盛りいれ、温度調節をし易くします。麹蓋での「仕舞仕事」すばやく丁寧に行います。扱う量を少なくする事で、操作し易くします。そして、「出麹室」に運ばれ、「枯らし」と呼ばれる作業を経て、麹となっていきます。

酵母を多量に純粋培養した、もろみに添加する前の段階です。協会酵母、乳酸、水、麹を合わせたものに蒸米を仕込みます。その後、荒櫂を行い、よくかき混ぜます。「打瀬」、「暖気」、「膨れ」、「湧き付き」と進み、最後の「分け」そして「使用」となります。もろみに使用する時には、アルコール10%程度となります。酒母造りは、酒の味を決める大切な作業です。

麹により生産される糖化酵素の糖化と、酒母で培養された酒母の発酵が並行して行われます。(並行複発酵)それにより、最大18°~20°ものアルコールが生成されます。酒母・水・麹に蒸米を三回に分けて「もろみ」の量を増やして仕込みます。これは「三段仕込み」と呼ばれ、一回目は「初添え」、二回目は「仲添え」、三回目は「留め添え」言います。第一日目は「添え仕込み」を行い、二日めは「踊り」で一日休み、第三日目は「初添え」の約倍量で「仲仕込み」。第四日目も「仲添えの」また倍量で「留仕込み」と、順に仕込み量を増やして仕込みます。その後、毎日検温、櫂入れ、。日本酒度、アルコール分酸度、アミノ酸度、の分析を行います。温度管理を行い、およそ20日~35日間で予定のアルコール度数、 日本酒度になり、「上槽」となります。

連続式搾り機で酒粕と日本酒に分けます。

各日本酒ごとの日本酒を合わせ、均一化と目標の酒質になるように調合を行います。そして、殺菌と酵素破壊のため、火入れを行います。

火入れ後タンクの中で、密閉貯蔵されます。また、7月頃には品質検査の為の「初呑みきり」が行われます。その後も室温15℃の蔵の中で貯蔵されます。
当社の蔵は昔人の知恵を活かした創業当時のままの土蔵で品温・品質管理を徹底しております。春夏秋冬、室温の高低の差が少なく土蔵内は夏場でもひんやりしています。

出荷時に濾過、割水などにより、酒質の最後の調整を行います。その後、火入れ殺菌をしながらビン詰めを行い、製品となります。

 


コメントは受け付けていません。